タルク星の人々
 
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プロのゲーム開発者が教える、
あなたのRPGがもっと面白くなる7つの方法
N2IJ 新田


 ここでは、RPGが面白くなる、最も基本的な考え方を説明します。

 これによって、あなたの作るRPGは基礎固めができ、より面白く展開し、
常にプレイヤーの興味を惹きつけることができるようになるでしょう。

 逆にこれから説明する事を押さえないと、だらだらとした、なんの興味も
引かない、途中で放り出してしまうRPGができあがる可能性が高くなります。

 1つ1つのテクニックに注目してください。

 それでは行きましょう。

■方法その1:主人公は基本的に語らない

 ゲームの特質とは、プレイヤーが試合や世界に参加する、というところにあります。
 なので、プレイヤーは基本的に、ゲームで操作しているキャラクタを
自分だと認識してゲームをプレイしています。
 なのに、突然画面上の主人公がしゃべりだすと、プレイヤーは
違和感を覚えます。

 「このキャラクタは、自分が操作しているのに、自分じゃないの?」

というように。

 主人公がしゃべってしまう場合、プレイヤーは「被当事者意識」になります。
 「これを経験しているのは、自分でない誰かだ」という意識です。

 主人公がしゃべらない場合、プレイヤーは「当事者意識」になります。
 「これを経験しているのは、自分だ」という意識です。

 他人が体験しているのを見ている場合と、自分が直接経験している場合では、
当然、自分が直接経験しているほうが感情移入しやすくなります。

 個人にとっては、テレビの中で起こっている戦争よりも、切ってしまった
自分の指の傷のほうが、重要な出来事なのです。

 なので、ゲームを作る場合、主人公は基本的にしゃべらせないようにしましょう。


 ここで、「主人公がしゃべるゲームはたくさんあるじゃないか」という人も
いるかと思いますので、それを説明します。

 主人公がしゃべるゲームは、基本的に映画や小説の視点で作られています。
 ゲームをプレイするほうも、それを認識した上でプレイを始めれば、
違和感を感じることなく、ゲームを進めることができます。

 では、どうすれば最初からプレイヤーに違和感を感じさせないで済むのか? 
というと、最初に「このゲームの主人公はプレイヤーではなく、誰かである」という
ことをはっきりと認識してもらうことです。

 例えばオープニングで、主人公にこれまでのいきさつや現状を語らせ、
「そして今、ある部屋に閉じ込められている…」と、部屋の画面を出します。

 そうすると、「さっきまで語っていた人がこのキャラクタだな」と、
自然にプレイヤーは認識します。

 そうすれば、プレイヤーはそのキャラクタとして、行動をし始めるのです。
 「誰かになりきって」プレイしてもらうには、必ずこの流れを使いましょう。

 「被当事者意識」で気をつけたいのは、主人公に「自分だったら
そうは言わないよ、そうはしないよ」と感じさせることをたくさんさせると、
プレイヤーは主人公に感情移入しづらくなってしまい、ゲームに興味を
感じなくなっていく、ということです。

 映画と違い、あくまで、主人公を操作しているのはプレイヤーだからです。

 なので、RPG製作の初心者は、プレイヤーにしゃべらせないように
作ることをお薦めします。

 そのほうが、プレイヤーにより簡単に感情移入をしてもらえます。


■方法2:行動にモチベーションを持たせる

 プレイヤーをゲームの世界に放り込んで、あとは解き方を見つけてね…
という作り方をすると、あまりにも不親切なゲームになります。

 プレイヤーには、なんらかの目的を与えてあげてください。

 目的があると、プレイヤーはとりあえずその達成に向けて、
動くことができます。
 逆に目的がないと、なにをしていいかわからず、退屈になってしまい、
ゲームはやめられてしまいます。

 ただし目的といっても、ただあれをやれ、これをやれ、では、
プレイヤーは強制されているように感じてしまいます。

 最初はよくても、あまりにそれが続くと気分が良くありません。
 これもやめられる原因になります。

 そこで、「謎」や「秘密」や「興味深い結果」を用意します。


 例えば「私の代わりにクリスタルを4つ集めてくれないか。
そうすればお前に王様の秘密を教えてやろう」などと、NPCに語らせるのです。

 そうすると、プレイヤーはとりあえず王様の秘密に興味を持ち、
クリスタルを集めるという行動のモチベーションが高まります。
 強制されていやいややるのではなく、自発的に行動しはじめるように
なるわけです。

 また、「この森の奥には赤の部族が住んでいる。そいつらは一目見て、
お前がどういう人間か当ててしまうだろう。悪いやつだと思われたら、
命を狙われるかもしれない。どうだ? 行ってみるか?」などと、
どういう結果が出るのか興味を持たせるのも、同じようにモチベーションになります。

 そしてヒントを散らばせて、うまく答えにたどり着くようにするのです。

 このように「謎」や「秘密」や「興味深い結果」をゲームに入れ込んで、
プレイヤーのプレイ意欲を掻き立てて下さい。


■方法3:目的を入れ子にする

 「謎」などでプレイヤーの興味を引っ張る場合、その間隔に気を使いましょう。

 あまりに解くのに時間のかかりすぎる「謎」は、よほど興味を惹く謎でない限り、
途中で「もういいや」となってしまいがちです。

 なので、大目的の中に中目的、中目的の中には小目的と「謎」を
入れ子状態にして、小目的はどんどん解いて行けるようにしましょう。

 こうすると、「謎」を知り、解く、というサイクルがどんどん進むので、
プレイヤーは飽きずに「次は? 次は?」と進んで行くことができます。

 また、徐々に中目的をクリアしていき、大目的に近づいて行くと、
自然に状況をエスカレートさせていくことができます。

 このとき、小目的の達成は中目的を達成するのに必要で、
中目的の達成は大目的を達成するのに必要、というお話にすると、
矛盾なくお話を進めることができます。


 初心者は、まずは達成したくなる小目的をつなげていくところから、
練習してみましょう。



■方法4:謎が謎を呼ぶ構造を使う

 任天堂系のゲームでよく見られるのですが、

1・鍵を手に入れる
2・鍵がないと行けなかったところがすべて行けるようになる
3・ヒントやアイテムを手に入れることができる
4・探索すると、鍵2が手に入る
5・鍵2がないと行けなかったところがすべて行けるようになる
6・繰り返し

という構造を使っているゲームがあります。

 この構造を使うと、今まで見えていたのに行けなかったところが
行けるようになり、プレイヤーは「行けなかったところ巡り」をすることが
できます。


 これは、「いくつかあった行けなかったところには、なにがあるのか?」という
謎解きができ、さらにそこで有用なアイテムを手に入れたりすることが
できるので、楽しい巡回になります。

 「タルク星の人々」では、これを実現するために、

・鍵 → 扉を開けられる
・斧 → 切り株をなくせる
・魔法の杖 → 岩をなくせる

 という対応アイテムを用意しています。
 ぜひ、この構造を実現し、楽しいマップを作ってみてください。

■方法5:納得のいく理由を用意する

 「コインを集めてきてくれ」

 NPCにいきなりこういうことを言われると、プレイヤーはしぶしぶコインを
集めるでしょうが、それをすること自体に納得はいっていません。

 「お前は戦士なんだろ? 化け物のボスを倒して来い」(お前がいけ!)
 「ねえ、私の家に行きましょう」(なぜ?)
 「森の中に怪物がいるんだよ…」(だからなんだ? オレが行くの?)

 これが続くと、プレイヤーは怒ること間違いなしです。

 なぜ、それをしなければならないのか?
 なぜ、私なのか?

 その理由があると、プレイヤーは「なるほど、納得。じゃあやろう」と、
自ら動き出してくれます。

 プレイヤーになにかをして欲しいとき、納得のいく理由を説明しましょう。

 誰でも、人に言われるがままなにかをするのは嫌なものです。
 誰でも、自分から進んで物事に取り組みたいし、そのほうが気持ちがいい。

 「よし! そういうことなら、それはオレに任せろ!」

 と、プレイヤーに思わせる、「それをする理由」を、お話に盛り込んでください。

■方法6:ゲームをコンパクトにまとめる

 「もう、どこがどこだかわからない…もういいや」
 「時間がかかるばかりで、なかなか話が進まない…もういいや」
 「これ、いつまで探せばいいの?…もういいや」

 マップをいたずらに広くして、NPCや看板などの誘導もなく探索をさせると、
プレイヤーは自分のしていることに意味のなさを感じてきます。
 そうすると、ゲームはやめられてしまいます。

 なので、延々と意味なくマップを歩かせたり、気の遠くなるような探索を
させたり、なんのヒントもなく放浪させたりするのはやめましょう。


 市販のRPGをプレイするとわかりますが、よくできたRPGは、マップが
エリアごとに「機能」設定されていて、ここは回復の場所、ここはアイテムを
買う場所、などと、プレイヤーにわかりやすく構成されています。

 なるべくコンパクトに、必要な要素だけを入れてゲームを作ったほうが、
結果的にプレイヤーに楽しんでもらえます。

 また、マップも最低限の数になるので、その分マップデザインに
時間をかけることができ、クオリティが上がります。

 お話の流れを考えたら、その流れに必要なマップを作り、
その流れに必要な人を配置し、その流れに必要なアイテムを配置しましょう。


■方法7:面白い物語のパターンをつかむ

 面白い物語には、プレイヤーを驚かせたり、ハラハラドキドキさせたり、
ワクワクさせたりする流れがあります。

 あなたも、映画を見たり、小説や漫画を読んだときに、そういう気持ちに
させられた経験があると思います。

 そういった「人の感情を揺さぶる」物語には、パターンがあります。
 パターンとは、共通する要素や、流れのことです。

 パターンは、「起承転結」や「序破急」、「三幕構成」などと呼ばれ、
物語の黄金パターンとして説明されることが多いです。


 ただいきなり専門書を読み込んで、難しい理論を覚えようとすると、
いつまで経っても物語は完成しません。

 ですので、初心者は、物語を例えば4つのブロックに分け、
1つのブロックはマップを2〜3つ使って進行する…と、決めてから、
作り出すことをお薦めします。


 こうすれば、終わりまで何マップ使うかが決まりますし、マップに
どういう話を盛り込めばいいのかが明確になります。


 慣れてきたら、盛り上げる部分のブロックは多くマップを使ったり、
一度通ったマップに戻るとお話が進む、という構造を使うといいでしょう。

 そうして、物語の盛り上げ方を徐々に覚えていくのです。
 実践ほど勉強になるものはありません。

(了)

 よし! じゃあこれらのテクニックを使って、早速プラネットを作ってみよう!


あなたの言葉が、タルク星を発展させます。
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